2007年2月20日火曜日

右翼と左翼

『右翼と左翼 (新書)』 というそのまま、ずばりの本がこれです。まあ、なんていうか読みやすいし、右翼左翼が相対的なものに過ぎないという事実をはっきり理解させてくれる本だと思います。私はパーなので左翼より後に右翼が出来たのを知りませんでした。勉強になりました。
思想の解説に関しては、やっぱり物足りないな。と、いうより、マルクス主義の呪縛からこの浅羽氏もまだ逃れきれておらず、現実から離れうる「理念」こそが思想だと考えてしまっています。たぶん思想はそういったものではなく、現実に向き合いながら必要として紡ぎだされていくもの何じゃないかなと私は思います。彼が理念が無いと批判する多くの現在の思考の中にもそれは存在していると思います。ただそれをうまく纏め上げる集合的に捉える視点が存在しなくなった、または分かりにくくなっただけだと思います。前回紹介した『金より大事なものがある―金融モラル崩壊 (新書) 』 にしてもその中にあるある種の強いいらだちは決して軽視することが出来ないものであるし、泥臭くても戦おうとする意思はやはり思想といって良いのでは無いかと思います。たぶん浅羽氏はその泥臭くても戦おうとする意思を失ってしまっているように見えます。
勉強にはなったけど面白くなかったというのがこの本に対する感想ですね。
しかし、ポストモダンはもう本当に駄目に成っちゃったのかもしれないなー。

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