2007年3月25日日曜日

人材が不足する日本

まあ、経済学に関する色んな本を読んでみた。僕なりに構造改革で確実に間違っていると感じるのは、日本は確実に人材不足になるにも関わらず、その対策が余りに弱いという点だ。
僕は建築の職人なんだけど、この点は凄く強く感じる。
建築業界は不況なのに人が余っていると批判されたが、それは確実に違う。いや、設計や監督など上部の存在は確かに人が余っているとも言えるのかも知れないが、現場の職人レベルでは確実に違う。ちょっと解説しよう。
不況になって10人の職人を抱える施工業者が潰れたとしよう。親方はサラ金、闇金においこまれて、自殺して保険で多少のお金を返した後、残るのは9人の職人である。9人の職人は仕事をしないと死ぬので、3人は他の仕事に着いて、6人は独立して一人親方になる。いっくら建築の職人と言っても実際一人ではさすがに仕事が出来ないから、嫁を経理にして、銀行でリストラをくらってプーをしてる従兄弟を手元として引っ張ってくる。これで、会社の数は6倍に増えて、人手は倍近くに増える。そして実際に出来る仕事の量は素人が混ざるので確実に半分以下になり、利益は3分の1以下になるだろう。こういう風に内容がボロボロになって増えた会社数と人手を、経済学者どもは叩きに叩き続けていた。
実際、現在、まともな職人は確実に減っている。まともな職人が減っているにも関わらず、経済学者様は建築業界を叩きまくるから、工期短縮やらが横行し、例の偽装事件が起こる。作る手が無いにも関わらず、「安くしろ!安くしろ!」の大合唱。人手が余ってりゃ競争原理も働くかも知れないが、人手が足りないのに競争原理なんか働くはずが無い。だから、建築業界の上部がいかさまするしか無いのは当たり前ジャン。あの偽装事件は現実をキチンと見ない経済学者様が作り上げた事件なのだ。
建築業界の上部は確かに無駄があるのかも知れないが、施工業者(職人)レベルは完全に人手が足りない。正直うちの会社は今、仕事をどう断るかに苦労している。当然パープーな職人くんたちですので、合理的になど動かず、義理と人情で動いちゃってるけどね。ようは義理がある監督の仕事を優先してる訳ね。
正直これから、日本は確実に人手不足が極めて広範囲に広がっていくだろう。団塊の大量退職、少子化現象、確実にそれは起こるね。人をパートや派遣で低賃金で働かせようなんて・・・・・甘すぎますよ。特に職人のような3K職は完全に人材不足が明らかに噴出するはずだ。競争原理なんか絶対働かない、だって人手が足りないんだもの、絶対無理だって、経済学者様よ、さあどうしましょう。

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